PS5版FF7Rをプレイして感じたゲームのリアル(ネタバレなし)

PS

まず、前提として自分はこのタイトルに満足しているし、原作のFF7もプレイ済みで、どちらも大好きな作品である。

原作をプレイした当時の感想として大満足だったんだけど、劇中のキャラクターの頭身がフィールド、バトル、ムービーでバラバラだったので、これが統一だったらもっと良かったのになぁといったものでした。からのリメイクである。

漫画的な表現からリアルな表現へ

当時のRPGは、漫画のような表現にユーザーが介することで「ゲームならでは」を感じられた。このタイトルに限ったことではないけど、昨今のゲームは当時よりリアルな描写をしているから、逆にそのリアルさがいろんな表現の足枷になっている側面もある。

今作の表現はどうなのかと言うと、主要キャラが漫画やアニメの様な造形だから、CGアニメの感覚で観ていられる一方で、モブキャラは主要キャラとは違い、リアル寄りの描写だ。作り込みの細かさの違いはあるものの、主要キャラとモブキャラで違和感があるのはこういうところなのかなと思う。なんというか、ラストオブアスの住人たちの世界にFF7のキャラがやって来たような。モブキャラにも野村氏の描くキャラの特徴があれば、作り込みの違いはあってももう少し違和感を抑えられたろうに。

リアルゆえの違和感

先に挙げた原作プレイ時の不満点についての本作の感想は、結論として「概ね満足だけど、こんなはずではなかった」というものだった。どうしてそう思ったかと言うと、こういうリアル描写の際の、武器(特に銃火器)使用のシーンを観て気になったからである。効いているのか効いていないのか、何故致命傷なのかそうでないのかがわかりにくくて、「これは息絶えたのか?寝ているのか?どっちだ?」と物語がすっと入ってこなくなる。原作をプレイしたときには考えなかったことだ。本作に限った話じゃあないけれど、このようにリアル描写はバトルアクションの描写と相性が悪いんだと思う。

で、その相性の悪さは本作の移動にも影響を与えていた。とにかく移動制限が多い。強制的に歩かされたり、狭いところや細いところを通るときはゆっくり歩かされたり。これらはリアルだと「おそらくそうなんだろうけど」ゲーム上だと「窮屈さ」だけが残る。ゲーム内キャラクターのテンポとユーザーである私のテンポがズレているからだ。

ロード対策としてそういう表現をしているのであればそれは素晴らしい工夫だけど、その工夫(仕様)がユーザー側に「遊びやすさ」として伝わっているんだろうか?個人的にはロードを挿入してくれた方がかえって割り切ることができた。それくらい強制的な移動制限はテンポを悪くしているように思う。分作ゆえに、この辺りの仕様も変えにくいだろうけど、続編でどうなるか。

描写がリアルになればなるほど、制作者側は現実世界の制約に寄せてしまったり、ユーザー側は現実との比較でゲームを計るようになったりするだろう。でも個人的にはもっと気楽にゲームを楽しみたい、ゲームにはもっと自由な表現を求めたいと思う。あれ?そういう意味では、自分が感じた「リアルから来る違和感」というのも、実は自由な表現を否定しているということになるのかな?いかん、もう少し柔軟に受け入れないといけないなぁ。

分作ゆえにユーザーの進捗状況との整合性や新規ユーザーへの配慮など課題も多そうだけど、総じて本作はとても丁寧に作られた良い作品だったと思う。次回作も非常に楽しみだ。

おまけ:サムネのシーンで、あるゲームを思い出した。新作出ないかなぁ。

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